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キッチンカー・移動販売車向け自動車保険の比較のポイント!

コロナ禍以降、キッチンカーを利用した飲食事業者が増加しています。
移動性、機動力を活かせる点や密にならないといったメリットがあり、今後も多くの事業者が移動販売事業を展開することが予想されます。
しかしながら、キッチンカーの自動車保険については「よく分からない」と思われる方も多いと思います。ここでは、キッチンカー向け自動車保険の比較のポイントを紹介いたしますので、自動車保険選択の参考にご覧ください。

キッチンカー・移動販売車の分類と自動車保険の加入制限

自動車はその用途によって区分されています。
多くのキッチンカー・移動販売車は「特殊用途自動車(特殊な目的に専ら使用するための自動車)」に分類されており、普通車であれば加入できる保険会社であっても、キッチンカーの場合は加入できないということもあります。
保険会社の引受け規定が、「自家用5車種」(または「自家用8車種」)のみなのか、特種用途自動車も契約可能なのかが確認のポイントとなります。

自家用5車種

  • 自家用
    普通乗用車
  • 自家用
    小型乗用車
  • 自家用
    軽四輪乗用車
  • 自家用
    小型貨物車
  • 自家用
    軽四輪貨物車

特種用途自動車となる自動車

  • 緊急自動車
    (消防車や救急車 など)
  • 法令等で特定される事業を
    遂行するための自動車
    (給水車や郵便車 など)
  • 特殊な目的に
    専ら使用するための自動車
    (キッチンカー・移動販売車 など)

規定上「自家用5車種」(または「自家用8車種」)のみに加入制限を設けている保険会社では、キッチンカーは自動車保険に加入ですることができません。
事業用の保険商品にて「特種用途自動車」を加入の対象にしている保険会社もあるので、保険会社の比較検討の際には、まず最初に、キッチンカーを加入対象にしている保険会社を確認しましょう。

また、乗用車をキッチンカーとして改造している場合、「合法改造車」(車検証上「改」と記載)であれば、保険加入できます。
引受けの規定は、保険会社ごとに異なりますので、お見積り依頼いただいた内容によっては、当初のご希望とは異なるプランでのご案内もしくはお断りをさせていただく場合がございます。予めご了承くださいませ。

保険会社別引受け可否一覧

まずは、どの保険会社でキッチンカーの加入ができるかを確認しましょう。

保険会社 特種用途自動車 改造車 備考
あいおいニッセイ
同和損保
車両価額が2,000万円を超える場合、事前照会が必要です。
東京海上日動 <キッチンカー内の設備什器の引受方法>
自動車に固定されておらず、自動車の付属品に該当しない場合は、自動車保険ではなく別の保険商品での引受けとなります。
三井住友海上 車両価額が2,000万円を超える場合、事前照会が必要です。
アクサダイレクト × ×
SBI損保 × ×
ソニー損保 × ×
チューリッヒ
保険会社
× ×
三井ダイレクト
損保
× 道路運送車両法の保安基準に適合しない改造車は引受不可となります。
車検証上の型式に「改」の表記がある場合、車両保険はお引き受けできません。

キッチンカー・移動販売車が加入する自動車保険の種類について

キッチンカー・移動販売車が加入する自動車保険の種類は、普通の乗用車と変わりません。
強制保険である自賠責保険と任意保険の2種類があります。

自賠責保険

強制保険である自賠責保険は、キッチンカーであっても、公道を走行するため加入は必須となります。任意保険を比較検討する前に、自賠責保険の加入は済ませておきましょう。
なお、自賠責保険は、自動車事故における被害者救済を目的とした保険であるため、任意保険と比較すると補償が限定的です。
自賠責保険だけでは補償額が不十分なケースもあるため、任意保険検討の前に自賠責保険の補償に内容を確認しておきましょう。

自賠責保険の補償

死亡による損害 最高 3,000万円
後遺障害による損害 最高 4,000万円
傷害による損害 最高 120万円

上記の通り、自賠責保険の補償は対人賠償のみであり、その補償額も上限が設けられています。
自動車事故時の対物賠償や運転者のケガ、移動販売車自体の損傷(車両保険)は対象にならないため、任意保険への加入が望ましいといえます。

自賠責保険の保険料

最後に、自賠責保険の保険料を紹介いたします。
特種用途自動車である移動販売車の自賠責保険の保険料は自家用常用自動車と比較すると、若干ではありますが高くなります。

車種 12カ月 24カ月
自家用乗用自動車 12,700 20,010
特種用途自動車
(移動販売車)
13,930 22,450

※本土(沖縄/離島を除く)

保険期間を比較すると「12カ月」で契約し更新するよりも「24カ月」で契約した方がトータル5,000千円以上も安くなります。
強制保険なので、自賠責保険については、「24カ月」での加入をお勧めします。

任意保険

事故の程度によっては自賠責保険では補償額や補償範囲が不足していますケースがあります。任意保険に加入することで、その不足をカバーすることができます。
任意保険の基本的は補償内容は、大きく3つの補償に分類できます。

  • 相手への損害賠償補償
  • 自身のケガの補償
  • 車両の損害への補償
    (移動販売車内の設備を含む)

相手への損害賠償補償

前述の通り、自賠責保険では、対人賠償のみで補償額にも限度額があります。
自動車事故と一言でいってもそのケースは様々で、事故相手にケガを負わせてしまった(対人賠償)、事故相手または公共の物を損壊してしまった(対物賠償)があります。自賠責保険だけでは、対物賠償に備えることができないことに加え、高額賠償となりうる対人賠償も補償限度額が設定されています。
任意保険では、対人賠償、対物賠償ともに補償額無制限で加入することができます(無制限以外にも補償額を設定することもできます)。
万一の事故における高額な損害賠償に備えるためにも、加入しておきたい保険です。

自身のケガの保険

「人身傷害補償」や「搭乗者傷害補償」などが該当します。
自動車事故で運転者自身や同乗者がケガをしてしまった際に補償されます。

車両の損害への補償

キッチンカー・移動販売車向けの自動車保険で、特に重視したいのが車両への損害(車両保険)です。
キッチンカーには「調理設備」や「カウンター」など普通車にはない設備が備わっており、当然、設備分の費用が掛かっています。自動車事故が発生した場合、車体だけではなく搭載の設備にも損害が生じるケースも想定されます。車両や設備に損害が生じた際には、損害カ所すべてが補償されるような車両保険を選択することが望まれます。

また、保険には免責規定があるため、単に積んであるだけの調理器具などは補償の対象にならないことがあるため、どのような設備が補償対象になるのかも確認しておかなければなりません。
キッチンカーの保険を比較する際には、この設備に対する車両保険の補償の保険会社ごとの差をポイントに検討しましょう。

自動車事故以外のリスク(ビジネスリスク)を補償する保険について

キッチンカービジネスを行う上で、自動車保険以外に加入しておきたい保険を紹介します。

生産物賠償責任保険(PL保険)

生産物賠償責任保険は、製造・販売した製品や製造等に伴う業務の結果に起因して発生した事故により、他人の生命または身体を害したり、他人の財物に損害を与え、法律上の賠償責任を負った場合に被る損害を補償します。
例えば、キッチンカー・移動販売車で販売した商品を原因として、食中毒を起こしてしまったときなどの損害賠償を補償します。

施設賠償責任保険/事業遂行賠償責任保険

施設や設備の所有、使用、管理に起因する事故や、事業活動に起因して発生した事故により、他人の生命または身体を害したり、他人の財物に損害を与え、法律上の賠償責任を負った場合に被る損害を補償します。
例えば、商品受け渡し時に誤ってお客様へこぼしてしまい火傷を負わせてしまったケースや、商品陳列棚の留め具が緩んで外れてしまい、棚が落ちてお客様の自転車を損壊させてしまったケースなどが挙げられます。

いずれの場合も、自動車保険ではカバーされない保険なので、別途加入手続きが必要になります。

なお、上記保険は業務の内容や売上高等によって保険会社によって保険料がかなり異なるため、比較検討することをお勧めします。
弊社では、事業主向けの保険のポータルサイトも運営しています。ビジネスリスク別に対応する保険も分かり易く解説していますので、保険検討されている方は参考にご覧ください。

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